営業職の残業代について
弁護士からのワンポイントアドバイス
営業職の方は、出張や外回り営業をしていて、事業所にいないことも多く、どのように労働時間を把握するのか問題になることがあります。
例えば、出張先までの移動時間です。この点、出張先までの移動時間は、寝る、読書をする等自由に過ごせる時間にあたるため、会社の指揮命令を及んでいるとはいえず、原則として労働時間にあたりません。しかし、一度会社に出社してから出張に行く場合や、上司と同行する場合、移動中も仕事が与えられている場合等は、会社の指揮命令が及んでいるため労働時間にあたると考えられます。
また、出張中は労働時間の把握が困難であるため、みなし労働時間制が採用されている場合があります。みなし労働時間制とは、労働時間の把握が困難な事情がある場合、一定の時間働いたものとみなす制度です。ただし、みなし労働時間制はあくまで労働時間の把握が困難な場合に認めれらるものであるため、出張中の労働時間の把握が可能な場合は、その労働時間に応じて残業代が認められます。